恒常性

・恒常性 constancy：

感覚器に与えられる近刺激が変化しても、物のさまざまな特徴が比較的恒常に保たれること。 大きさ、形、明るさ、速度、音の大きさ、重さなどにある。 近刺激・・・外界にある対象によってもたらされる網膜上に投影された刺激

・大きさ・距離不変仮説：

対処の張る視角(あるいは網膜像)が一定のとき、その対象の大きさで距離の比が一定に保たれるという仮説。 S'/D'=f (θ) (S'：見えの大きさ、D'：見えの距離、θ：視角)

・錯覚 illusion
■	知覚された対象の性質や関係が、刺激の客観的性質や関係と著しく食い違う場合をいう。 錯覚とは、それが錯覚現象であるということを知っていても、なお生じるもので訂正はきかない。

・錯視 optical illusion
■	視覚における錯視のこと。 両目の情報が統合された後に生じ、また、眼球運動によってい生じているのではない。

・シャルパンティエの錯視 Charpentier's illusion
■	大きさ=重さの錯覚の一種であり、等しい重さのおもりは、体積の大きいものの方が軽く感じられる。 この時の大きさは物理的な大きさというよりもむしろ見かけの大きさである。この錯覚は、触覚で知覚された大きさにおいても観察される。

・主観的輪郭 subjective contour (詳しくは「ゲシュタルト心理学」を参照)
■	物理的には存在しない輪郭線が周囲の刺激付置により知覚される現象。 ex.カニッツァの三角形

・エイムズの歪んだ部屋 Ames distorted room
■	実際は歪んだ部屋なのに特定の位置から単眼で観察すると真四角な部屋として見え、そのために中にいる人間の大きさがまったく異なって見えるというもの。 ■■■

cf.ホニー現象 Honi phenomenon
■	エイムズの歪んだ部屋において、対象が熟知したものである場合は、その客観的大きさをすでに知っているため、その網膜像の大小により対象までの距離が自動的に見積もられる現象のこと。

・月の錯視 Moon illusion
■	月が地平線近くにあるときは大きく見え、中天にくると小さく見える現象。 見えの距離説と大きさの対比説がある。

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見えの距離説：

一般に距離の定位は水平方向に過大視され、天空方向に過小視されるため。

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大きさの対比説：

天頂にあるときは、月と背景の空との間で著しい対比が生じて小さく見え、地平線近くにあるときは、視野の大きさがその半分くらいになるので対比の効果が現れず小さく見える。